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転

施設のボランティアに罪はない。そもそも、ボランティアには罪がない。有史以来、罰せられたボランティアが存在しなかったということがそれを証明している。
　罪なきボランティアは私に問うた。「もしよろしければご感想など、アンケートにご協力ください」
　奉仕の魂に磨かれたボランティア男の輝かしい瞳が私を罰していた。平日にのこのこ現れ、奉仕もせず、食用菊を貪る、ソシアルの滓。
　死んだ魚の目は答えた。「後ろ、ポスターがはがれてますよ。」

「ああ、ほんとだ。すみません」
　"すみません" とはどういうことだろう。ボランティア男は自らの背後で壁から大きく垂れ下がった大判ポスターを、両腕を目一杯に開いて押さえながらそう言った。私はその隙に黙って立ち去った。