landscape
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
車輪の下
ヘルマン・ヘッセ 著 高橋 健二 訳
新潮文庫
読了
Oct. 25. Sun. 2009
ああ、われはいたく疲れたり。
ああ、われはいたく弱りたり。
さいふに一銭だになく、
懐中無銭なり。
ヘルマン!ヘルマン!ヘルマン! 死なすことはなかった!
と、最後の数ページで急に閉じてしまった物語を読み終えて、まずそんなことを思いました。精神を擦り減らしてドロップアウトしてしまったハンス少年だったが、下層にも生きる人々を思い出し、手に職をつけてやり直す物語だと勝手に思い込んでおりました。
まあ、そうして立ち直っちゃうと告発が弱くなるわけか。
似たような思い込みと突き放しは オーウェル の「1984年」でも経験したな。プロレ階級が鍵を握っているに違いない! そんなことはありませんでした。自由は屈従でした。
これだから未知の物語は最高だ。
理由は述べないけれども印象に残ったのは、ハンスの回顧する“タカ通り”の記憶と、三行きりで語られた親友ハイルナーのその後(そしてどうやら修道院で別れたまま再び会うことはなかったように描かれ、実際そうだった)。
ああ、あと、ひどくエロい描写をされている年上のおねえさん。果実搾り……
私の個人的な諸々に照らし合わせて、ビターな物語でした。ビタいち、じゃないよ。
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
...
...
...
...
clip
デザイン技法講座 4
田中 正明 / 須賀 攸一 共著
美術出版社
読了
Oct. 20. Tue. 2009
講座 4 である。しかし 1 から 3 を修めたわけではない。つづきがあるのかどうかも知らない。この本は実家で発掘されたもので、見つかったのはこれ一冊だけである。
この「技法講座 4」はレタリングの教本で、だいぶ古いもののようだ。初版は 1965 年だから、昭和 40 年か。手許にあるものは昭和 46 年の第十四版。裏見返しには“昭和 47 年夏”の日付で母親の署名がある。
前半は文字についての歴史やタイポグラフィについてさわり程度に。後半からはサンセリフ、セリフ、明朝体、ゴシック体……と、レタリングの技法が基本的な書体を引き合いに解説されている。
少なくとも、或る書体をぴっちり模写するようなレタリングは、DTP 全盛の現在においてそうそう手掛ける機会もないと思うが、この本によって書体のバランスの取り方やセリフの付き方など、文字を扱う上で知っておくべきことを知ることができた。また、疑問に感じてさえいなかった箇所の技法も知ることができ、ショッキングでナイスだった。サンセリフの X とか M とか……
内容がレタリング技法(つまり古い)ということもあり、最初は学習をしようと思って読み始めたわけではなく、ただただ古い本のしつらえが格好良かったのでペラペラめくっていただけなのであった。
インクのたまり具合や印刷ムラだとか、モノクロ図版の網点とか。あと、一貫して本文をノド側、キャプション類を小口側に配したレイアウトも機能的で美しいです。
少々オタティックな話ですが、サンセリフ書体代表として書き方見本となっているのが、かの名高い Neue Haas Grotesque = Helvetica です。
この書体が発表されたのが 1957 年だそうなので、日本にどのように伝わったかは知りませんが、「技法講座 4」の初版 1965 年当時にはさぞ新しかったのだろうな。現代的な感覚にマッチした力強い印象を与える。
と紹介されています。で、ご存知の通り半世紀を経た現在でも古くならず、至る所で使用され続けています。
あ、書いていて思い出したけど、サイトの背景にうっすら白抜きで書いてある“studio KAI* ”のロゴも Helvetica でしたわ。Neue Helvetica じゃない、ふつうの Helvetica の bold だったと思います……
...
RETURN to top page
...