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交差点の信号待ちでフィルムカメラらしきものを持っているおにいさんを見つけて、フィルムを置いている店を教えてもらった。基本のネオパンSSがなかったのでアクロスを買った。どうせ違いなどおれには判らない。
商店街のギャラリーに飛び込んだ他は、すべてがらくたに見えた。金を持たずに過ごすには、街を歩くしかなかった。
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note
「国会は揚げ足取りばかり。選挙に関心はない。徴兵とか暮らしが変わるとか、そういうときになれば行くかも」
——今朝の新聞にあった22歳のコメント。国会はその通りだと思うし、若い人に限らず政治にうんざりしている人はたくさんいるだろう。
ただ、「何かが変わりそうな時」になったら選挙に行くというのが気になった。
本当に何かを変えるときに政権が民意に問うてくれる保証はない。そして国会では、その変更の手続きを決めることができる。一定の勢力があれば公約になかった法律でも通すことができる。
自分が従わないといけないルールが、揚げ足取りばかりしているように見える国会でも着々と決まっている。だからいろいろ、生活レベルでも変化がある。
後から文句は言えるが、手続き上は何もおかしくない。選挙の度に民意に基づく選別を経て構成された各勢力がいろいろ働いた結果、今こうなっている。
「何かが変わりそうな時」には、既にレールは敷かれている。「関心がない」と言っていた人も含む、すべての有権者の手によって。
後から文句は言える。今はね。
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blue, blue age
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平成15年3月31日
……
半生が現在に活かされないのは実に間が抜けている。
反省の反省をしながら、今日も穴を掘りまた埋めて。
……
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就職活動をしていた。と言うより、本当はしなければならなかった。ポートフォリオを組まなければならなかったし、エントリーシートを書かなければならなかった。自己分析をし、PRしなければならなかった。
分析を公正に行う程、課題の作品にも、自分自身についても良いところが見当たらなかった。公言していた志望企業にエントリーすることすらできず、後悔と反省ばかりが日課となった。
この翌日から、僕は4年生に進級しなければならなかった。
写真のピントが合わなくなってきた。
落とした際に、ミラーがずれたのが原因だった。それに気付くまでしばらく、おかしな写真を量産することになる。
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blue, blue age
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平成15年3月30日
凝固した空気の中で唯一、
時間のベクトルを証明する
人参の葉。
緑く、緑く。
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blue, blue age
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平成15年2月28日
嗚呼、抗議したくなる程時の流れが速い。
それが判っていたにも関わらず、内容の薄いひと月を過ごしてしまった。今まで何をやっていたのか考えれば考える程理解が進むのは、「今まで何をやっていたのか考える」をやっていたという無意味さばかりだ。
どうして重要な局面でいつもこんな無意味なことに捕われてしまうのだろう。
……
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blue, blue age
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平成15年2月26日
……
スーパーで青年男子の店員の方がレジスターを打ってくれたのですが、そのひと、何か根暗くて枯れている感じで、喋りもぼそぼそだから値段を読み上げてくれても何を云っているのかよく解りませんでした。
……
そいつの名札を見たら「小野」って書いてあってそれがとても嫌でした。
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blue, blue age
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平成15年2月21日
……
また目が醒めた。畳が暖かい。少し動くと冷たい。サーモグラフィを見てみたらさぞ面白かろうなどと思うことはない。部屋はナツメ球の暗いオレンジ色で不的確に映し出されている。
……
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blue, blue age
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平成15年2月17日(3)
……
先ず、レンズを確認。良かった、割れもキズも無い。マウントも異常は無かった。
次に本体を調べた。カドが凹んでいる。不安だ。
ファインダーを覗き込むと真っ黒だった。焦った。レンズの蓋だった。
蓋を外して再度覗き込んだ。いつもの眺めだった。安心した。
ぐりぐりとピントを合わせてみたり絞りを弄ったり。
何か変だ。
内蔵の露出計がシんでいた。
……
2002年12月:
不注意からデジタルカメラ損壊
2003年2月:
不注意からフィルムカメラ破損
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blue, blue age
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平成15年2月17日(2)
アパートのすぐ近くを流れる川に沿って歩いた。輝く水面にゴミの人工的な色彩が映えた。歩いては立ち止まり、歩いては立ち止まりを繰り返して進んだ。
眠たくて仕方がないのだ。歩きながら眠る、無精髭にバサバサの頭で長身の男。周りに人間が居たならば、さぞ怪しんだであろう。しかもカメラを持っている。犯罪である。そのカメラはというと、な。ストラップが肩から外れてそのままアスファルトに自由落下したんですよ。眠くて。
や、一瞬で目が醒めましたよ。イヤな目覚めだ。
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blue, blue age
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平成15年2月17日(1)
……
眠たくて仕方がなかったし、何より毒の部屋から出て行きたかったので、外を散歩することにした。窓の外を、少し身を乗り出してのぞいてみた。素晴らしく快晴だったのでカメラを持って出ることにした。
外の世界は、2月の角度の浅い光線によってスルドク漂白されていた。引き蘢りには少々つらいものがある。目をまともに開くことができず、アスファルトをぼそぼそ眺めながら歩いた。
まだ2月だというのに外はとても暖かかった。逆に、ボクの部屋が寒すぎるだけだろうかとも思った。どちらにせよ、部屋の薄気味悪いナショナルの光の下で行われる絶望的なデスクワークに比して、五百光秒彼方のでかい水爆の光を浴びながら茫洋とだらしなく散歩をすることはとても幸福であった。
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そしてまた、ラジオは無線のようになっていく。
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監督 : パブロ・ラライン | 映画 2012年
Nov. 24, 2014 鑑賞
無血革命は成った。
軍事独裁への反体制派=“No派”に対して便宜上の公平性のために与えられた、たった15分の深夜放送枠を駆使して、様々な妨害や脅迫にも耐えてCMを流し続けた結果、人々が動いたのだった。CMが繰り返し訴え続けたのは独裁への糾弾ではなく、明るい未来へのイメージだった。“チリよ! 喜びはもうすぐやってくる”
しかし、勝利に沸き返る群衆の中、CM制作の中心人物である主人公レネは固い表情のまま、No派本部を後にする。
民主化後もレネの日常は変わらない。投票期間中は軍政派=“Si(Yes)派”の顧問を務めていたCM制作会社の上司とともに、新商品のCM制作に明け暮れる。
レネは当初、乗り気ではなかった。
No派のCM制作に関ったのも旧知から勧誘されたためで、自発的ではなかった。父親が軍政に追放されたという過去も語られたが、自由や民主主義などに対する姿勢はドライだった。
気にしていたことは、国民投票が真に有効で、CMを流すことで勝利できる可能性があるか、つまり自分の仕事に結果としての意味があるかということだった。それは、プロのCM屋としての姿勢であり、政治的な思想や理念ではなかった。
レネが、担当する電子レンジのテレビCMを制作する場面がある。モデルの女優に彼は言う。「あまり近づかない方がいい。電磁波を使っている。信用ならない」
これは、CM屋の本質だと思う。商品の良し悪し、善し悪しに関らず、依頼された要件を満たすために全力を傾ける。レネはプロだった。理念を排してでも、勝利に向けて効果的な手法を追求し続けた。
その結果、誰もが出来レースだと思っていた国民投票で勝ってしまう。楽しく明るいキャッチフレーズを用いて、無関心や諦めから国民を喚起し、動かした。コーラを買い求めるように、人々は動いたのだった。
レネが勝利に浮つくことができず去って行ったのは、自分の仕事ながら、CMというものの強さを最大の舞台で目の当たりにしてしまったからではないだろうか。
不可能を可能にできた。その逆もまた、いつでも可能だろう。
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1988年当時の機材を用いた撮影と、当時の実際の映像を織り交ぜた、家庭用ビデオ並のノイジーな画面にはドキュメンタリーの緊張感がある。
また、BGMをほとんど用いないことで、No派CMの耳に心地よいテーマ音楽がいつの間にか鑑賞者側にも浸透してくる。こちらもCMをまるまる見せられているのだ。
Si派についた上司の背後で、オフィスの掃除夫が何気なく鼻唄するあのメロディーに、上司も僕もハッとするのだった。
No派のCMのひとつに、“優れた国家は国民同士で争わない”といったものがあった。
デモ隊員が警官に殴られる映像。デモ隊員は、国を良くしようと努力する愛国者でチリ人。警官も、国を良くしようと努力する愛国者でチリ人。なのに現状では殴られる人と殴る人、という。
最後にまた一緒に仕事をしている上司とレネの姿は、優れた国家の体現だろうか。独裁だろうが民主だろうが、実生活はさして変わらないという冷めた表現だろうか。
ハッピー・エンドといった感じで煮え切らないのは、勝っておしまいということではないということか。広告というものの強さ、民主主義の難しさ。
映画の公開日程の方が先に決まっていたはずだが、日本では丁度衆議院が解散されて選挙になる。
岡山市北区丸の内
シネマ・クレール | cinemaclair.co.jp
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焦点が定まらないまま徘徊しているうちに、フィルムがきれた。
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商業ビルに入って、することが何もなかった。金がなかった。
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落下の王国 | The Fall
監督 : ターセム・シン | 映画 2006年
Sep. 9, 2014 鑑賞
Thank you! Thank you! Thank you very much!
ある日のインターネットで印象的な写真を見た。時代がかった衣装の人物たちと遺跡のようなロケーション。調べると、それは映画の場面の切抜きだった。蔦屋にあったら観てみようと思った。
蔦屋にあった。映像も全編に亘って印象的で、美しかった。そしてそれだけを期待して観ていたら、裏切られた。
人生に絶望した語り部の男と、彼の出任せの物語を楽しみに耳を傾ける少女。映像に表現される色彩豊かな世界は、聴き手である少女のヴィジョンだということが端々に描写される。その色彩は、男の灰色の未来に彩色を施すかのように、徐々に陰惨になっていた語り部の物語を再び明るみに導いていく。
そしてラストの後日談。映画を観る愉しみを目一杯感じさせる、少女と一緒に拍手を贈りたくなる〆——
昔、「SKY PORT」という小さなレンタルビデオ店が近所にあった。岡山ではまだレンタルビデオ店など珍しかったと思う。
家に導入されたVHSデッキの使い方を覚えた小学校高学年くらいの僕は、狭い店内を横歩きで棚を見上げながら、チャプリンの名作集を端からひとつずつ借りて行ったのだった。店員のおねえさんが憶えていてくれて、当時新作だったチャプリンの伝記映画「チャーリー」のビデオがもうすぐ入荷されると教えてくれた。「チャーリー」は笑えなくて、小学生にはつまらなかった。
しばらくして、近所のショッピングモールに蔦屋が入居し、「SKY PORT」はいろいろ形態を変えながら、そのうちなくなった。
——そんなことを思い出した。
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