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blue, blue age
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苦手分野を埋めたくて接客のアルバイトをやってみようと思っていた。この日はスーパーのレジ打ちの面談を受けたが、「緊張してる?笑顔が見えないけど」と言われ、笑うようなところはなかったなと思いつつ、後から考えるときっと狂人の無表情であったのだろう。
駅ビルのスーパーだったので、面談が終わった後、なんとなく京王線を乗り継いで渋谷へ出かけた。
用事も行きたいところもなく、そもそも渋谷の地図が頭に入っておらず、裏路地のようなところをぐるぐる歩いた。Y子ちゃんに交信を試みると、偶々都心に出ていたので、渋谷で待ち合わせをしてお茶につき合ってもらった。
レジのバイトは落ち、何かの応募前の電話で断られ、深夜のネットカフェ店員も面談で不採用となったところで、完全に何かが欠けているという認識に至り、以後は接客をやってみようなどと考えることは止めた。21歳だった。
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前後左右縦横無尽に行き交う人々の渦の中、僕は立ち止まって、緑色に光る看板を振り向き様にじっと見つめていました。マンモス駅の一角を通り過ぎる途方もない人数に向かって献血を呼び掛ける姿はいつだって観られる光景で、殆どの場合と、殆どのひとはそれを気にも止めずに自分の道を急ぐのです。僕も例外ではありません。でも今日は、献血が気になって仕方がなく、それは何故だか解りませんが、理由を考えているうちに僕は入り口の前に立っているのでした。
呼び込みのおにいさん(なんて書くとなんだか違う場所みたいですが)は僕が献血ルームに入る意志在りと認めるとにっこりと笑って中へ案内してくれました。なにしろ初めての体験で、何も判りません。僕は自分の血液型すら知らないのです。それでもいいって、その血を何に使うのさ、僕の血はコレステロールは少ないけれど栄養価も低いよ、今日も起きてからごはん食べてないしなあなんて考えながら、書類にたくさんのチェックと署名をしました。食事は14時にとったと、嘘を書きました。
そのチェックシートを基にお医者様の診察を受けて、僕は最近の薬物の服用について問い質されました。ああ、それは××剤を飲んでいますと、いつから、4月から毎日ですと答えると、お医者様は紅いペンでシートにたくさん斜線を引いて、“薬が身体から抜けたらまた来てください”みたいなことを仰るのでした。
薬漬けの僕がすごすごと待合所に戻ると、さっきの呼び込みのおにいさんは何とも申し訳なさそうな、居場所のない顔をして鞄を返してくれました。また来てくださいということと、折角だから少しゆっくりしていって下さいと言われました。すぐに帰るのは逃げるみたいで嫌だったので、恥ずかしいけれど、言われたとおりに無料のお茶をすすり、置いてあるお菓子をかじりながらしばらく無意味に、本当に無意味に座っていました。
拒絶される毎日だ。
平成15年10月15日
あの日から13年以上が経ち、たぶん身体からすっかり薬が抜けている僕は、献血ルームに近づくことすらなく、自分の血液型も知らない。
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戯作三昧・一塊の土
著 : 芥川 龍之介 | 短編集 1917年–1926年
新潮文庫
舞踏会/秋/雛/年末の一日 他
Feb. 12–June 1, 2017 読了
照子は毎朝鶏に餌をやりながら、御姉様の事を思い出して、誰にも知れず泣いています。……
本当は頭がおかしくなった晩年の芥川を読みたいのだけど、律儀に新潮文庫の番号順に読んでいる。一冊抜けているけど。いよいよ次は、「歯車」とか「河童」の番で、たぶん読むのは遠い先。
何故だか邦文でも洋文でも、昭和大正戦中戦前近代あたりを描いたものが好きなようで、江戸ものはほわーんとした印象しかないのに開花後を描いたものはぴりぴりした。
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夜空はいつでも最高密度の青色だ
監督 : 石井裕也 | 映画 2017年
TOHOシネマズ岡南
May 27, 2017 鑑賞
東京の人ごみの中にいると、自身の存在が希薄になった気がした。目をつぶっても歩ける、ゴミのような安心感があった。航空障害灯の明滅に魅入られた僕は本当はもうずっと前に自殺して、どうして今ここにいるのかよくわからず、軸足の下には地面がない。
“会いたい”なんて剥き出しの言葉を思い出しながら、帰りのバスから見えた夕焼けはきれいだった。
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3日目。
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宝伝港行きの最終便を見送る、2日目の終わり。
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2日目。誰もいないみたいな朝の犬島を歩いた。
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