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国立
梅雨が明け、乾いた強い風が心地よかった。いつも曇って粘ついた空の下、坂道を昇って降りた国立の町は最後に晴れた。
国立駅から 一橋大学通り
学生の頃、ここでアルバイトをしたことがある。背広を着て、道案内の看板を持って立った。通りの並木は全て満開の桜で、よく晴れた暖かい日だった。
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JR 中央線 国立から八王子へ
昔の文章を紹介する。
土曜の晩に終電をなくしたので、一緒にいた国立に住む友人の部屋に泊めてもらった。疲れていたのか環境の違いか、いつもよりよく眠れた。朝の十時頃に起き、そこから近所の古めかしい喫茶店にふたりでモーニングを採った。コーヒーが良い香りだと思った。
高尾行きの中央線は、すぐに席に座ることができた。普段は使わない路線なので、本を読まずにいた。窓の外の団地。ひらひらと喋る娘たち。日曜日なのに背広姿の男性。吊ってあるものも壁に貼ってあるものも、一両全て揃えた広告だった。“I LIKE TOKYO STATION” 僕も、そうだなと思った。 平成十六年十月二十四日
この路線はあの頃の印象と変わらない。
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